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第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
ゲノム編集治療
Ex vivoゲノム編集治療時代の幕開け
-――現状と課題
The dawn of the era of ex vivo genome editing therapy
――Current status and challenges
パン イギュ
1
,
堀田 秋津
1
Uikyu BANG
1
,
Akitsu HOTTA
1
1京都大学iPS細胞研究所臨床応用研究部門
キーワード:
遺伝子治療
,
造血幹細胞
,
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法
,
iPS細胞(人工多能性幹細胞)
Keyword:
遺伝子治療
,
造血幹細胞
,
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法
,
iPS細胞(人工多能性幹細胞)
pp.420-426
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050420
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ゲノム編集技術により,特定のDNA配列を改変することで遺伝子治療や細胞の高機能化が可能となった.この技術は従来の遺伝子治療と異なり,標的部位を改変する “ゲノム編集治療” として区別される.治療法には,体内で直接編集するin vivo法と,体外で編集した細胞を移植するex vivo法があり,それぞれ適用範囲や技術的な特徴が異なる.本稿ではex vivo法に注目し,代表例としてがんに対するキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法,先天性貧血に対する世界初のゲノム編集承認薬であるCasgevy®,そしてiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた再生医療への応用例について解説する.細胞治療のコスト低減や治療対象の拡大に寄与することが期待される一方,細胞培養技術や標的遺伝子の選定など課題も多く残されており,今後の研究進展が望まれる.本稿が新たな臨床応用のヒントとなれば幸いである.
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