今月の主題 原発性免疫不全症
話題
ADA欠損症に対する遺伝子治療の現況
川村 信明
1
Nobuaki KAWAMURA
1
1北海道大学医学部小児科
キーワード:
ADA欠損症
,
遺伝子治療
,
造血幹細胞
Keyword:
ADA欠損症
,
遺伝子治療
,
造血幹細胞
pp.455-457
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904053
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
遺伝子治療は,1990年に米国で開始されてから癌,AIDS患者を中心に多数例で施行されてきたが,その大部分で期待された臨床効果が得られず,さらなる基礎的研究が求められているのが現状である.その中で,ADA欠損症はある程度の治療効果が得られている数少ない疾患である.
本稿では,筆者らが実施した遺伝子治療の結果を含めて,これまでに施行されたADA欠損症に対する遺伝子治療についてその概略を解説し,現時点における遺伝子治療の効果と問題点について言及したい.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.