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第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
ゲノム異常に基づく濾胞性リンパ腫の病態理解とその臨床応用
Pathogenetic basis and clinical implication of follicular lymphoma genetics
塚本 拓
1
Taku TSUKAMOTO
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科血液内科学
キーワード:
濾胞性リンパ腫(FL)
,
ゲノム異常
,
クロマチン修飾遺伝子
,
免疫微小環境
,
予後予測因子
Keyword:
濾胞性リンパ腫(FL)
,
ゲノム異常
,
クロマチン修飾遺伝子
,
免疫微小環境
,
予後予測因子
pp.105-109
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010105
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t(14;18)転座は,濾胞性リンパ腫(FL)で高頻度に認められる特徴的な染色体異常であり,抗アポトーシス分子であるBCL2過剰発現が発症に重要と考えられてきたが,近年の解析技術の進歩によって多くの付加的ゲノム異常の存在が明らかになった.なかでもクロマチン修飾遺伝子や免疫グロブリン重鎖(IGH)遺伝子可変領域糖鎖修飾関連変異などは,胚中心での腫瘍性B細胞と周囲の免疫微小環境との相互作用を修飾することによって,FLの発生・病態形成に重要な役割を果たすことが示されている.また,ゲノム研究はFLの精緻な予後予測因子として活用される可能性が示されているだけでなく,EZH2阻害薬タゾメトスタットの開発にも寄与してきた経緯があり,将来,ますますの基盤的研究の発展と臨床応用が期待される.
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