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第1土曜特集 リンパ腫――病態研究と診療の最新知見
臨床の話題
濾胞性リンパ腫(FL)における新薬
New drugs in follicular lymphoma(FL)
後藤 秀樹
1
Hideki GOTO
1
1北海道大学病院検査・輸血部
キーワード:
濾胞性リンパ腫(FL)
,
二重特異性抗体
,
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法
Keyword:
濾胞性リンパ腫(FL)
,
二重特異性抗体
,
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法
pp.665-669
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289090665
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濾胞性リンパ腫(FL)は非ホジキンリンパ腫全体の10~20%程度を占める,代表的な低悪性度リンパ腫である.日本血液学会の『造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版』では,GELF(Groupe d′Etude des Lymphomes Folliculaires)1-3)やBNLI(British National Lymphoma Investigation)4)が治療開始基準の指標として参考になると示されている.臨床現場では限局期か進行期か,初発か再発か,病勢は緩徐か急速かなどでその治療方針は変わるが,リツキシマブ単剤,抗CD20抗体併用化学療法,リツキシマブ併用レナリドミド療法(R2),EZH2(enhancer of zeste homolog 2)阻害薬,放射線治療,造血幹細胞移植などが一般的な治療法として検討される.近年では,再発・難治例を対象に二重特異性抗体とキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法の使用も可能となってきている.初回治療により何年間も完全寛解(CR)が得られる症例がある一方で,早期再発や再発を繰り返す症例の予後は不良であることも知られており,さまざまな新薬の開発が進められている.本稿では,免疫細胞療法である二重特異性抗体とCAR-T細胞療法を中心に,開発中の新薬も含めて概説する.
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