Japanese
English
第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
ホジキンリンパ腫の遺伝子異常と臨床的意義
Genetic abnormalities in Hodgkin’s lymphoma and their clinical significance
加留部 謙之輔
1
Kennosuke KARUBE
1
1名古屋大学大学院医学系研究科臓器病態診断学
キーワード:
結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫(NLPHL)
,
古典型ホジキンリンパ腫(CHL)
,
LP細胞
,
HRS細胞
Keyword:
結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫(NLPHL)
,
古典型ホジキンリンパ腫(CHL)
,
LP細胞
,
HRS細胞
pp.111-115
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010111
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ホジキンリンパ腫は,1832年にThomas Hodgkinにより報告されたcase series以来,150年以上にわたり研究されてきた1).組織学的に明瞭な核小体と,しばしば多核を伴う特徴的な巨細胞であるHRS細胞の出現を特徴とする.長年 “ホジキン病” とよばれ,炎症性疾患か腫瘍性疾患かの議論が続いていたが,2000年前後にシングルセルPCRの技術が発達し,HRS細胞がclonalなB細胞の増殖であることが証明され,“ホジキンリンパ腫” の名称が定着した.通常,腫瘍性病変では腫瘍細胞自体がmain populationを占めるが,ホジキンリンパ腫ではHRS細胞が腫瘍全体の2~3%にしか存在しないことが,その分子生物学的解析におけるハードルであり続けている.しかし近年,シングルセルマニピュレーション(マイクロダイセクション),マイクロアレイによる網羅的発現解析,次世代シークエンス,および近年の空間的トランスクリプトームなどの最新の分子生物学技術により,その全貌が明らかになろうとしている.
Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.