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第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
クローン性造血と多様なヒト疾患の関係性
The interplay of gene mutations and copy-number alterations in clonal hematopoiesis
佐伯 龍之介
1
Ryunosuke SAIKI
1
1京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学(病理学第二講座)
キーワード:
クローン性造血(CH)
,
遺伝子変異
,
コピー数異常
,
血液腫瘍
,
心血管疾患
Keyword:
クローン性造血(CH)
,
遺伝子変異
,
コピー数異常
,
血液腫瘍
,
心血管疾患
pp.21-29
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010021
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加齢に伴って出現するクローン性造血(CH)は,血液腫瘍の前駆病変としてのみならず,心血管疾患をはじめとするさまざまな疾患のリスク因子としても,近年注目が集まっている.CHを構成するゲノム異常として,遺伝子変異とモザイク染色体異常(mCA)が知られているが,両者の関係性や予後に与える影響については限定的な理解しか得られていなかった.筆者らは,CHにおける遺伝子変異とmCAの統合解析を実施することで,両者の特徴的な共存関係を明らかにした.特にDNMT3A,TET2,TP53,JAK2などの遺伝子については,遺伝子変異とmCAが共存することでヘテロ接合性消失を起こしていた.さらに,両者の共存を認める症例では血液腫瘍,心血管疾患のリスクが著しく上昇しており,2種類の病変の協調的な効果が示唆された.今後も,CHにおける遺伝子変異とmCAの統合的な解析を進めることで,さまざまな疾患のリスク層別化が可能となり,CHに関連する研究・臨床において重要な知見が得られると期待される.
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