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今月の特集 クローン性造血に関する知見と課題
クローン性造血と骨髄性腫瘍の関係性
Relationship between clonal hematopoiesis and myeloid malignancies
北村 俊雄
1
1公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター
キーワード:
クローン性造血
,
CH
,
エピジェネティクス
,
造血器腫瘍
,
骨髄異形成症候群
,
MDS
,
再生不良性貧血
,
AA
Keyword:
クローン性造血
,
CH
,
エピジェネティクス
,
造血器腫瘍
,
骨髄異形成症候群
,
MDS
,
再生不良性貧血
,
AA
pp.1392-1397
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203183
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Point
●一見,健康な65歳以上の高齢者の10%に白血病に認められる遺伝子変異を1つないし2つ有するクローン性の造血が存在する.
●クローン性造血(CH)の遺伝子変異はDNMT3a,TET2,ASXL1の3つのエピゲノム関連の遺伝子が70%を占めるが,ほかにTP53,JAK2,SF3B1などに認められる.
●CHを有する人は1年に0.5〜1%の確率で造血器腫瘍を発症する.これはコントロール群と比較して10〜20倍である.興味深いことに心筋梗塞や脳梗塞を発症する頻度もコントロール群に比較して約2倍と高く,こちらが生命予後を悪くする.
●スプライシング因子の変異を有するCHは一番,造血器腫瘍に進展しやすいが,動脈硬化のリスクはない.ASXL1/TET2/DNMT3a変異を有するCHは造血器腫瘍と心筋梗塞/脳梗塞のリスクの両方が高い.
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