Japanese
English
特集 脂質制御因子SREBPの新展開
SREBP-1cの新たな切断活性化機構と脂肪酸による切断制御
A new cleavage pathway of SREBP-1c which is controlled by fatty acids
韓 松伊
1
,
中久木 正則
2
,
中川 嘉
3
,
島野 仁
1
Song-Iee HAN
1
,
Masanori NAKAKUKI
2
,
Yoshimi NAKAGAWA
3
,
Hitoshi SHIMANO
1
1筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科
2持田製薬株式会社総合研究所
3富山大学和漢医薬学総合研究所
キーワード:
SREBP-1c
,
多価不飽和脂肪酸
,
ロンボイドプロテアーゼ
,
バロシン含有タンパク質(VCP)複合体
Keyword:
SREBP-1c
,
多価不飽和脂肪酸
,
ロンボイドプロテアーゼ
,
バロシン含有タンパク質(VCP)複合体
pp.1044-1049
発行日 2024年12月14日
Published Date 2024/12/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291111044
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ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)は,脂質生合成を制御する転写因子である.細胞内の小胞体膜に存在する前駆体SREBPタンパク質は,ゴルジ体での切断を経て核内に移行し,脂質生合成関連遺伝子の転写を促進する.これまでに,SCAPとInsigを介したステロール制御によるSREBP切断経路はよく知られていたが,脂肪酸によるSREBP-1cの制御機構は十分に解明されていなかった.今回,筆者らはロンボイドプロテアーゼファミリーのメンバーであるRHBDL4/RHBDD1が,小胞体膜におけるSREBP-1cの重要な切断酵素であることを同定した.この切断は,飽和脂肪酸により活性化,多価不飽和脂肪酸により不活性化され,脂肪酸の種類によるRHBDL4の活性調節が示された.本稿では,従来のステロールによるSREBP-1cの切断経路,新規SREBP-1c切断酵素RHBDL4によるSREBP-1cの切断経路の分子機構と脂肪酸による制御機構について紹介する.
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