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特集 脂質制御因子SREBPの新展開
カロリー制限下におけるSREBP-1cの発現制御機構と白色脂肪組織の代謝リプログラミング
Regulatory mechanisms of SREBP1c expression and its contribution to metabolic reprogramming in white adipose tissue by caloric restriction
野崎 優香
1
,
水之江 雄平
1
,
樋上 賀一
1
Yuka NOZAKI
1
,
Yuhei MIZUNOE
1
,
Yoshikazu HIGAMI
1
1東京理科大学薬学部生命創薬科学科分子病理・代謝学教室
キーワード:
カロリー制限(CR)
,
白色脂肪組織(WAT)
,
SREBP-1c
,
レプチン
,
ミトコンドリア
Keyword:
カロリー制限(CR)
,
白色脂肪組織(WAT)
,
SREBP-1c
,
レプチン
,
ミトコンドリア
pp.1028-1032
発行日 2024年12月14日
Published Date 2024/12/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291111028
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長期間の摂取カロリー制限(CR)は,多くの生物種において代謝を改善し,老化関連疾患の発症を抑制し,寿命を延伸することが知られている.CRが白色脂肪組織(WAT)に及ぼす影響として,脂肪細胞のサイズ縮小,炎症の抑制,アディポネクチンの増加,インスリン感受性の向上があげられる.また,脂質合成のマスターレギュレーターSREBP-1cの発現を増加し,脂質合成因子の発現を増加させる.近年,筆者らは,CR条件下においてインスリンとレプチンの協調によりSREBP-1cの発現が制御され,脂肪組織中の脂肪酸合成量が規定されている可能性を示唆した.さらにCR条件下では,SREBP-1cがPGC-1αの発現増加を介してミトコンドリア生合成の亢進にも関与することを明らかにした.これらの結果は,CRによる寿命延長・抗老化作用にはSREBP-1cを起点としたWATの代謝リプログラミングが必須であることを示唆している.本稿では,CRにおけるSREBP-1cの制御機構,およびその機能の生物学的な意義について文献的考察を含めて概説する.
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