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連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.18
Tリンパ球の恒常性維持における自己反応性の新たな役割
A new role for self-reactivity in T cell homeostasis
河部 剛史
1
Takeshi KAWABE
1
1東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野
キーワード:
Tリンパ球
,
ホメオスタシス
,
自己抗原
Keyword:
Tリンパ球
,
ホメオスタシス
,
自己抗原
pp.1051-1054
発行日 2024年12月14日
Published Date 2024/12/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291111051
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SUMMARY
T細胞は獲得免疫応答に必須の役割を果たすリンパ球である.原初,T細胞は胸腺において産生され,病原体感染時には外来抗原特異的T細胞受容体を有するナイーブ細胞は活性化し,エフェクターさらにはメモリー細胞へと分化することにより病原体を生体内から排除する.このようにT細胞は外来抗原応答性を特徴とするリンパ球であるが,近年,その自己抗原反応性が,胸腺におけるT細胞産生や末梢T細胞の生存などに重要な役割を果たすことが明らかになった.それに加えて筆者らは最近,定常状態下において,末梢ナイーブ細胞の一部が自己抗原を認識することで “MP細胞” へと分化すること,MP細胞はT細胞であるにもかかわらずNK細胞やILCなどと同様に自然免疫的な様式で感染防御に寄与することを明らかにした.本稿ではMP細胞の産生維持機構や免疫学的機能を,特にCD4+細胞に焦点を当てて概説する.
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