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特集 脂質制御因子SREBPの新展開
SCAPのポリユビキチン化によるSREBP活性化
Activation of SREBP by polyubiquitination of SCAP
佐藤 隆一郎
1
Ryuichiro SATO
1
1東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻
キーワード:
SCAP
,
SREBP
,
RNF5
,
ポリユビキチン
,
E3リガーゼ
Keyword:
SCAP
,
SREBP
,
RNF5
,
ポリユビキチン
,
E3リガーゼ
pp.1039-1043
発行日 2024年12月14日
Published Date 2024/12/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291111039
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SREBPはSCAPと複合体を形成し,小胞体からゴルジ装置へと輸送され,N末端領域が切断され,核で転写因子として働く.複合体を形成できないと,SREBP,SCAPのいずれもユビキチン-プロテアソーム経路により速やかに分解される.SCAPのユビキチン化を担当するE3リガーゼは不明であったため,その同定を試みた.その結果,新たなE3リガーゼとしてRNF5を見出したが,このポリユビキチン修飾はSCAPの分解には関与しなかった.RNF5はユビキチン分子内の29番目のLys残基を介したポリユビキチン鎖をSCAPに付加し,SREBPの活性化を促進した.SCAPの305番目のLys残基を介してポリユビキチン修飾が行われ,それによりSCAPに構造変化が生じ,SREBP-SCAP複合体が小胞体からゴルジ装置へと輸送される新たな調節機構が明らかになった.
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