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第1土曜特集 生殖医学――基礎研究と実地診療の進歩
ヒトブラストイド:胚盤胞モデルの革新とその可能性
Human blastoids:innovations in blastocyst modeling and their potential
香川 晴信
1
Harunobu KAGAWA
1
1INSERM U1064 CR2TI ナント フランス
キーワード:
ヒトブラストイド
,
幹細胞モデル
,
着床メカニズム
,
倫理的課題
,
体外受精(IVF)技術の改善
Keyword:
ヒトブラストイド
,
幹細胞モデル
,
着床メカニズム
,
倫理的課題
,
体外受精(IVF)技術の改善
pp.993-998
発行日 2024年12月7日
Published Date 2024/12/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291100993
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生殖補助医療技術(ART)は,現代社会において不妊治療における重要な役割を果たしている.しかし,体外受精(IVF)の成功率は年齢とともに低下し,晩婚化が進む現代社会では成功率の向上が大きな課題となっている.IVFの成功率を向上させるためには,ヒト胚の初期発生に関する生物学的知見を得ることが重要である.しかし,ヒト胚を用いた基礎研究は倫理的な課題から限られた研究室でしか行われておらず,得られる知見は限定的である.ヒト胚の代替としてマウスなどの実験動物が使用されてきたが,ヒトとの種差が存在し,その知見がヒトにどの程度適用できるかは不透明である.このような背景から,近年ではヒト胚発生を模倣できる実験モデルの開発が進められている.本稿では,幹細胞を用いたモデルのなかでも,胚盤胞を模倣するヒトブラストイドについて,その特徴と応用の可能性に関してまとめる.
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