Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
colchicineおよびvinblastineの神経活動に対する作用機序は,他の生物由来の神経毒とは,いささか趣を異にしている。colchicine,vinblastineともに数年前までは,もっぱら細胞分裂阻害剤,antimitotic agentとして分類されていた。小量でも連続して使用すると,中枢神経系に障害が現われるので,神経毒として取り扱う場合もあった。しかし,最近では,細胞内の微小管蛋白tubulinと結合して微小管構造を破壊するため,抗チューブリン剤,anti-tubulin agentと呼ばれることが多い。
colchicineはユリ科のイヌサフランColchicum autumnale L. やこの近種の種子や鱗茎から抽出されるアルカロイドの1種である。古代ギリシャの町名Colchisから名づけられたといわれ,この町の郊外には豊富に自生しているそうである。5世紀頃にはアラビア人医師たちによって薬用に供されていたといわれる21)。構造式は図1Aに示してある。vinblastineはツルニチソウ科のVinca rosea L. から抽出されるアルカロイドの1種であり,水に難溶のため硫酸塩として用いられる21)。構造式が近似し,同一の作用を示す物質としてvincrystine,vinleurosineなどがある。構造式は図1Bに示してある。
Colchicine and vinblastine are known as mitotic inhibitor and it disrupts microtubules at low concentration, in vitro and in vivo. Recently, microtubules in nerve cells has been considered to be related to a number of nervous activities. This review will attempt to show the effect of colchicine and vinblastine in nervous system, such as electrophysiological processing, morphological change, autoradiographic analysis, behavior and learning, and macromolecular synthesis.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.