Japanese
English
第1土曜特集 生殖医学――基礎研究と実地診療の進歩
ヒト第一体細胞分裂(1st cleavage)に対する時空間的解析
Spatiotemporal analysis of the first cleavage in human embryos
白澤 弘光
1
,
小野 有紀
1
,
寺田 幸弘
1
Hiromitsu SHIRASAWA
1
,
Yuki ONO
1
,
Yukihiro TERADA
1
1秋田大学大学院医学系研究科機能展開医学系産婦人科学講座
キーワード:
遷延染色体
,
多核形成(MuN)
,
中心体
,
微小管形成中心(MTOCs)
Keyword:
遷延染色体
,
多核形成(MuN)
,
中心体
,
微小管形成中心(MTOCs)
pp.931-936
発行日 2024年12月7日
Published Date 2024/12/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291100931
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ヒト第一体細胞分裂(1st cleavage)は,ヒト胚盤胞を形作る最初の体細胞分裂であり,重要な過程である.しかし,ヒト胚を用いた第一体細胞分裂過程の研究には倫理的ハードルがあり,マウス胚,ウシ胚などの非ヒト胚における同分野の知見の蓄積とは対照的に研究が不十分であった.不妊治療では,タイムラプスイメージングなどの非侵襲的な動的解析を用いて,ヒト第一体細胞分裂の検討も進められている.しかし,ヒトとマウスにおける中心体,中心体小体,微小管形成中心(MTOCs)などの細胞骨格の種差を考慮すると,ヒト胚を用いた細胞生物学的検討は不可欠である.近年,提供ヒト卵子,ヒト接合子を用いたライブセルイメージングによるヒト第一体細胞分裂過程の時間的・空間的な解析により,明視野画像による解析では得られなかった知見が多く報告されている.不妊治療の臨床にも重要である第一体細胞分裂における染色体分配機構の解析について,近年の新たな知見を紹介する.
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