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特集 細胞機能の構造生物学
Ⅲ.細胞分裂・核の構造細胞生物学
中心体の構造と細胞分裂
Centrosome structure and cell division
松橋 恭平
1
,
北川 大樹
1
Matsuhashi Kyohei
1
,
Kitagawa Daiju
1
1東京大学大学院薬学系研究科生理化学教室
キーワード:
中心体
,
中心小体
,
細胞分裂
,
紡錘体
Keyword:
中心体
,
中心小体
,
細胞分裂
,
紡錘体
pp.338-342
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201186
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中心体は,動物細胞と一部の下等植物の細胞内に存在する,進化的に保存された細胞小器官である。中心体は,微小管形成中心として機能し,分裂期には二極の紡錘体を形成して効率的な染色体分配を行う。また,微小管の形成を促進し細胞骨格として重要な微小管ネットワークを構築することで,細胞形態や移動のみならず,細胞内輸送にも大事な役割を果たしている。中心体の数や構造の異常は,小頭症をはじめとする神経発達疾患やがんといった様々な疾患との関連が報告されているため,中心体は多彩な生命現象に関与する多機能な細胞小器官であると考えられる。ここでは,その基礎となるべき中心体の複製や構造に関する研究を中心に,最新の知見も交えながら概説する。
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