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特集 ミトコンドリア――種々の疾患との関連と新規治療法のターゲットとしての可能性
標的細胞へのミトコンドリア導入技術
Mitochondrial transfer technology to target cells
金井 舞
1
,
西川 元也
1
,
草森 浩輔
1
Mai KANAI
1
,
Makiya NISHIKAWA
1
,
Kosuke KUSAMORI
1
1東京理科大学大学院薬学研究科
キーワード:
ミトコンドリア移植
,
ミトコンドリア導入
,
ミトコンドリア単離
,
mtDAMPs
Keyword:
ミトコンドリア移植
,
ミトコンドリア導入
,
ミトコンドリア単離
,
mtDAMPs
pp.459-464
発行日 2024年11月9日
Published Date 2024/11/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291060459
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細菌の共生が起源であるとされるミトコンドリアは,細胞にエネルギーを供給する重要なオルガネラである.近年,ミトコンドリアが細胞間を移動することが明らかにされ,細胞間情報伝達に関わる新たな物質として注目されている.この現象に基づき,細胞のミトコンドリア機能障害を改善する目的で,健康なミトコンドリアを細胞に導入する試みが進められており,生体へのミトコンドリア移植がさまざまな疾患治療において有用であることが報告されている.ミトコンドリア移植の効果を高めるには標的細胞への効率的な導入が重要であり,さまざまな技術が開発されている.また,有効かつ安全なミトコンドリア移植を実現するためには,生体に移植したミトコンドリアが炎症を惹起しないことが重要である.ミトコンドリアの低免疫原性が報告されている一方で,mtDAMPsが炎症を惹起する可能性が懸念されている.
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