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第1土曜特集 腸内フローラの研究進展と臨床応用
基礎研究の進展
代謝性疾患と腸内細菌
Gut microbes and metabolic diseases
池田 貴子
1,2
,
高田 紘翠
1,2
,
木村 郁夫
1,2
Takako IKEDA
1,2
,
Hiromi TAKADA
1,2
,
Ikuo KIMURA
1,2
1京都大学大学院生命科学研究科高次生命科学専攻生体システム学分野
2同薬学研究科創発医薬科学専攻代謝ゲノム薬学分野
キーワード:
腸内細菌代謝産物
,
肥満
,
糖尿病
,
腸内細菌叢
Keyword:
腸内細菌代謝産物
,
肥満
,
糖尿病
,
腸内細菌叢
pp.360-365
発行日 2024年11月2日
Published Date 2024/11/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291050360
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腸内細菌は宿主の代謝機能に大きく影響を与える.これは,腸内細菌により生み出される代謝産物が直接的に,またはシグナル伝達分子として宿主の生体機能を変化させることによる.これまで,宿主代謝機能に影響を与える代謝産物として,短鎖脂肪酸やトランス脂肪酸,二次胆汁酸などが知られており,これら代謝産物による宿主代謝機能制御の分子機序の解明が精力的に行われている.腸管内には多種多様な腸内細菌が生息しており,腸内細菌叢とよばれる微生物群集を形成している.腸内細菌叢はさまざまな代謝産物を生み出す場であり,細菌叢の菌数や菌種が偏った状態は,代謝産物の産生量や種類を変化させ,2型糖尿病をはじめとする代謝性疾患の発症原因ともなる.このことから,細菌叢の乱れを改善することで代謝性疾患を治療しようという試みがなされている.本稿では,腸内細菌とその代謝産物が宿主の代謝機能に与える影響を,代謝性疾患との関連から近年得られた知見を交え概説する.
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