特集 腸内細菌をめぐって
Ⅳ.発癌と腸内細菌(1)大腸癌と腸内細菌
土肥 多惠子
1
1国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所肝炎・免疫研究センター消化器疾患研究部
キーワード:
大腸癌
,
腸内細菌叢
,
食物繊維
,
Fusobacterium spp.
,
乳酸菌,絶食
Keyword:
大腸癌
,
腸内細菌叢
,
食物繊維
,
Fusobacterium spp.
,
乳酸菌,絶食
pp.331-334
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000079
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大腸発癌と食餌内容との相関は確立しており,動物性食餌はそのリスクを高め,植物性食餌はリスクを低める.この効果は腸内細菌叢を介しており,菌体成分や代謝物によって,宿主の免疫能およびエネルギー代謝が変化する.また,腸内細菌叢は腸粘膜上皮細胞にもさまざまなシグナル経路を通して,遺伝子発現・遺伝子機能の変化を起こし,遺伝子変異,エピゲノム変化をもたらすことによって大腸発癌に関与する.大腸上皮細胞の回転は常在乳酸菌と食物繊維に依存して絶食-再摂食リズムに同調しており,これを含めた食習慣・腸内細菌叢の改善は大腸癌予防に有用である.
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