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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
副腎
アルドステロン産生病変の病理学
Pathology of aldosterone-producing lesions
西本 紘嗣郎
1
,
向井 邦晃
2
Koshiro NISHIMOTO
1
,
Kuniaki MUKAI
2
1宮崎大学医学部発達泌尿生殖医学講座泌尿器科学分野
2慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター
キーワード:
原発性アルドステロン症(PA)
,
アルドステロン合成酵素(CYP11B2)
,
免疫組織化学染色
Keyword:
原発性アルドステロン症(PA)
,
アルドステロン合成酵素(CYP11B2)
,
免疫組織化学染色
pp.744-750
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090744
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原発性アルドステロン症(PA)は,二次的な原因によらずに副腎皮質におけるアルドステロン産生が生理的調節から外れて恒常的に活性化されることを原因とする疾患である.アルドステロン合成酵素(CYP11B2)の免疫組織化学染色は,アルドステロン産生病変の視覚化を可能にすることにより,PAの疾患概念そのものを変えてきた.本稿では,①2010年以前のアルドステロン産生病変の “病理像”,②CYP11B2免疫組織化学染色による成人正常副腎皮質の組織像,③アルドステロン産生腺腫(APA)の組織像,④アルドステロン産生細胞クラスター(APCC)はAPAとは異なる特徴を持つ,⑤ヒト副腎皮質のリモデリング,⑥成人正常副腎皮質に検出されるAPCCは病変か,⑦APCCはAPAに移行するのか,⑧APCCでは本当に過剰なアルドステロン産生が行われるのか,⑨APCCのシングルセル解析,の9項目について概説するとともに,今後の課題についても述べる.
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