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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
副腎
コルチゾール産生副腎腫瘍の遺伝子異常
Genetics associated with cortisol producing adrenal tumor
佐久間 一基
1
,
田中 知明
1
Ikki SAKUMA
1
,
Tomoaki TANAKA
1
1千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学
キーワード:
クッシング症候群
,
遺伝子変異
,
ステロイド合成阻害薬
Keyword:
クッシング症候群
,
遺伝子変異
,
ステロイド合成阻害薬
pp.751-755
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090751
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コルチゾール産生副腎腺腫は,特異的なクッシング様徴候(満月様顔貌,中心性肥満,野牛肩,皮膚線条,皮膚の菲薄化,皮下出血)と非特異的症候(高血圧,多毛,骨粗鬆症,月経異常,耐糖能異常)を呈するクッシング症候群をきたす.コルチゾール産生副腎腺腫の病因として,PRKACA,GNAS,CTNNB1の体細胞変異が同定されている.クッシング症候群の治療薬として,2021年にオシロドロスタットが承認され,使用可能になった.オシロドロスタットは,従来から使用されているメチラポンと比較して効果持続時間が長く,高コルチゾール血症の是正が確実に得られる.一方で,オシロドロスタット投与中止後の長期の副腎不全をきたす症例が報告されている.軽度のコルチゾール産生腺腫では,副腎摘出術あるいは合併症(高血圧症,耐糖能異常)のモニタリング/治療による経過観察の選択は,個々の症例に応じて行う必要がある.
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