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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
副腎
原発性アルドステロン症の温故知新
Primary aldosteronism:Learning from the past and the future clinical challenge
曽根 正勝
1
Masakatsu SONE
1
1聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科
キーワード:
副腎皮質ホルモン
,
アルドステロン
,
ミネラルコルチコイド
,
原発性アルドステロン症(PA)
Keyword:
副腎皮質ホルモン
,
アルドステロン
,
ミネラルコルチコイド
,
原発性アルドステロン症(PA)
pp.740-743
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090740
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原発性アルドステロン症(PA)は,副腎皮質からミネラルコルチコイドであるアルドステロンの自律過剰分泌が起こることにより高血圧,低K血症などの症状をきたす疾患である.1954年にConnらによってはじめて報告されて以降,認識されてからまだ70年しかたっていない疾患であるが,この70年間でも本疾患に対する考え方は大きく変遷してきた.まれな疾患だと考えられていた時期から,内分泌疾患のなかでは比較的頻度が高いと考えられるようになり,画像診断や静脈サンプリングなどの技術の進歩により,診断も以前より正確に行えるようになってきた.また,病理組織的解析や遺伝子解析が進むことで,その病態に対する理解も進んできた.ミネラルコルチコイドによる心臓,血管,腎臓などの障害が明らかになってくるにつれ,アルドステロンというホルモン自体の役割も改めて注目されるようになってきた.しかし,特発性アルドステロン症(IHA)とよばれる両側性のアルドステロン症をどのように扱うべきかなど,まだ解決すべき課題も多い.本稿では,PAという疾患の歴史と現況,今後の臨床的課題について概説する.
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