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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
甲状腺
先天性甲状腺機能障害と遺伝子異常
Congenital thyroid dysfunction and genetic abnormalities
中尾 佳奈子
1
Kanako TANASE-NAKAO
1
1国立国際医療研究センター研究所疾患ゲノム研究部
キーワード:
先天性甲状腺機能低下症(CH)
,
甲状腺腫性CH
,
非甲状腺腫性CH
,
先天性甲状腺刺激ホルモン(TSH)単独欠損症
,
非自己免疫性甲状腺機能亢進症
Keyword:
先天性甲状腺機能低下症(CH)
,
甲状腺腫性CH
,
非甲状腺腫性CH
,
先天性甲状腺刺激ホルモン(TSH)単独欠損症
,
非自己免疫性甲状腺機能亢進症
pp.687-691
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090687
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先天性甲状腺機能異常には,先天性甲状腺機能低下症(CH),先天性甲状腺機能亢進症,甲状腺ホルモン作用不全が含まれる.CHはさらに障害部位によって原発性CHと中枢性CHとに大別され,原発性CHは甲状腺腫性CHと非甲状腺腫性CHに細分類される.CHを生じる遺伝子異常は,1991年のサイログロブリン(Tg)異常症初報告を皮切りに次々と解明が進み,現在,甲状腺腫性CHの90%以上で甲状腺ホルモン合成に関わる単一遺伝子変異が同定されている.非甲状腺腫性CHでは,2024年に入って非コード領域に新しい疾患責任ゲノム異常が発見され,特に家族歴を有するCHの主因であることが明らかとなった.中枢性CHに含まれる先天性甲状腺刺激ホルモン(TSH)単独欠損症では,70~80%に遺伝子異常がみつかる.先天性甲状腺機能亢進症の大部分は新生児バセドウ病であるが,まれにTSHR機能獲得型変異による非自己免疫性甲状腺機能亢進症が存在する.
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