筋力の回復が期待できないクッシング病再発例に対するlight touch効果を活用した理学療法を実施した1例

Physiotherapy employing the light touch effect for a patient experiencing a recurrence of Cushing's disease, wherein the anticipation of muscular recuperation was not forthcoming: a case report

要旨　【目的】筋力の回復が期待できないクッシング病再発症例に対する理学療法について報告する．【対象】クッシング病再発で体幹と下肢筋力の低下によりロンベルグ徴候および歩行障害を呈した67歳の女性である．【方法】Light touch（LT）効果を活用したステップ練習および歩行練習を実施した．両T字杖を使用した歩行練習では，杖を軽く握るように指導した．【結果】30日間の理学療法において体幹および下肢筋力の変化が認められなかったが，ロンベルグ徴候が陰性となり，屋外歩行が両T字杖を使用し可能となった．【結語】体幹および下肢筋力の回復が期待できない症例に対する理学療法において，LTを追加した理学療法を行うことで立位姿勢制御および歩行機能の改善が得られる可能性がある．