特集 ホルモンの病態異常と臨床検査
各論Ⅰ ホルモンの病態異常と検査
1.下垂体前葉
5) ACTH
照井 健
1
,
須田 俊宏
1
Ken TERUI
1
,
Toshihiro SUDA
1
1弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講座
キーワード:
視床下部-下垂体-副腎系
,
クッシング病
,
DDAVP試験
Keyword:
視床下部-下垂体-副腎系
,
クッシング病
,
DDAVP試験
pp.1197-1202
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101754
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緒言
ACTHとは,adrenocorticotropic hormone(副腎皮質刺激ホルモン)の略で,視床下部-下垂体-副腎系の中核をなす下垂体前葉ホルモンである.これは,視床下部からの命令を末梢の副腎に伝える重要な役割を有している.すなわち,視床下部から分泌された副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormone;CRH)が下垂体のACTH産生細胞に働いてACTH産生と分泌を促進し,さらにACTHが副腎皮質に働き,コルチゾールを主体とした副腎皮質ホルモンの産生と分泌を促進する.
血中ACTHの測定はコルチゾール分泌異常の診断に有用であり,コルチゾールと同時採血を行うことで,より詳細な情報を得ることができる.
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