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特集 新規がん免疫療法としてのT-cell engagerの進歩と可能性
造血器腫瘍(白血病・悪性リンパ腫)に対するT-cell engagerの位置づけ
Role of T-cell engager in the treatment strategies for leukemia and malignant lymphoma
大地 哲朗
1
,
棟方 理
1
Tetsuro OCHI
1
,
Wataru MUNAKATA
1
1国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
キーワード:
悪性リンパ腫
,
急性リンパ性白血病
,
二重特異性抗体(BsAb)
Keyword:
悪性リンパ腫
,
急性リンパ性白血病
,
二重特異性抗体(BsAb)
pp.487-491
発行日 2024年8月17日
Published Date 2024/8/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290060487
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造血器腫瘍は固形腫瘍と比較して化学療法に対する感受性が高いがん種であるが,ひとたび治療抵抗性となった後の予後は著しく不良である.化学療法抵抗性の白血病や悪性リンパ腫に対する同種造血幹細胞移植は根治を期待しうる究極の免疫療法であるが,治療関連死亡割合の高さや移植片対宿主病に関連する生活の質の低下などが臨床上の課題となる.CD19を標的としたキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法は,同種免疫に伴う有害事象が生じることのない画期的な新規免疫療法であり,化学療法抵抗性の悪性リンパ腫や急性リンパ性白血病の診療に昨今導入されている.しかし,製造失敗の可能性,製造に要する時間の長さ,実施可能施設の少なさなどの課題が存在し,広く実施可能な治療とは言い難い.Off-the-shelf製剤である二重特異性抗体(BsAb)は速やかに,かつ多くの施設で実施可能な免疫療法として近年大きく注目されている.
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