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特集 新規がん免疫療法としてのT-cell engagerの進歩と可能性
次世代T-cell engagerの可能性および開発の方向性
Potential and development of the next generation T-cell engager
北野 滋久
1
Shigehisa KITANO
1
1がん研究会有明病院先端医療開発科
キーワード:
T-cell engager
,
二重特異性抗体
,
三重特異性抗体
,
がん免疫療法
Keyword:
T-cell engager
,
二重特異性抗体
,
三重特異性抗体
,
がん免疫療法
pp.516-521
発行日 2024年8月17日
Published Date 2024/8/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290060516
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1970年代にハイブリドーマ技術の開拓によって,人為的に大量の抗体が産生できるようになった.その後,遺伝子組換え技術の進歩により,現在は100%ヒト遺伝子から構成される完全ヒト型抗体も製造できるようになった.さらに,人為的に抗原認識部位を複数有する多重特異性抗体も製造可能となり,現在,多数の薬剤が臨床開発されている.臨床開発の成功例では,T-cell engagerとしてCD3とCD19が結合するブリナツモマブがB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)に対して国内承認され,二重特異性抗体として上皮成長因子受容体(EGFR)とc-Metが結合するamivantamabが非小細胞肺がん(NSCLC)に対して海外で承認され,現在,国内承認申請中である.本稿では,人工抗体製造の技術的進歩,T-cell engagerの作用機序,開発中の次世代T-cell engagerおよび二重(三重)特異性抗体,今後の課題について概説する.
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