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第1土曜特集 老化を標的とした疾患予防・治療
各論
老化細胞ワクチンによる糖尿病・慢性疾患治療
Development of senolytic vaccine for chronic diseases
中神 啓徳
1
Hironori NAKAGAMI
1
1大阪大学大学院医学研究科健康発達医学寄附講座教授
キーワード:
ワクチン
,
抗体誘導
,
免疫
Keyword:
ワクチン
,
抗体誘導
,
免疫
pp.375-379
発行日 2023年11月4日
Published Date 2023/11/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28705375
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ワクチンは感染症に対する集団免疫に大きく貢献してきたが,これを糖尿病などの慢性疾患治療へ活用することを目指す研究開発が行われている.感染症ワクチンは基本的に予防ワクチンであるが,慢性疾患に対しては治療ワクチンとしての新しいコンセプトをもとにワクチン設計が行われている.近年,生体内での老化細胞蓄積が老化関連疾患に関連することが明らかとなり,この老化細胞を除去することによる治療効果を期待した老化細胞除去治療薬の開発がはじまっている.そこで,慢性疾患に対する治療ワクチンの技術を,老化細胞除去治療に応用した新規ワクチンが考案された.マウスの老化T細胞を標的としたワクチンを投与したところ,高脂肪食負荷による内臓脂肪での老化T細胞の増加が抑制され,耐糖能も改善することが示された.治療ワクチン技術を用いた新しいコンセプトでの老化細胞除去の治療法開発が期待される.
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