Japanese
English
特集 高血圧の病態と管理の最前線
各論―新しい治療
遺伝子治療
Gene therapy
中神 啓徳
1
,
森下 竜一
2
NAKAGAMI Hironori
1
,
MORISHITA Ryuichi
2
1大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学寄附講座
2大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座
キーワード:
ワクチン
,
核酸医薬
,
抗体
Keyword:
ワクチン
,
核酸医薬
,
抗体
pp.193-197
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000845
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)は世界的なパンデミックを引き起こしたが,それに対してmRNAワクチンなど新規モダリティを用いたワクチンが驚異的なスピードで開発・承認されたことが,感染拡大を防ぐゲームチェンジャーとなったといえる。この成功により,今後mRNAを用いた核酸医薬やワクチンの実用化研究はさらに加速することが予想される。これまでも,ワクチンは集団社会で感染症の流行を防ぐ「集団免疫」の観点で医療に多大なる貢献をもたらしてきたが,ワクチンの標的疾患として感染症以外に癌治療やアルツハイマー病などの慢性疾患治療に応用する基礎研究,一部の疾患に対してはすでに臨床試験が始まっている。本稿では,高血圧治療における遺伝子治療の実用化研究として,ワクチンおよびRNA創薬に着目し,その現状を紹介する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.