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連載 緩和医療のアップデート・Vol.11
非がん性疼痛の評価と治療
-――がん性疼痛との違いは?
Assessment and treatment of noncancer pain
――How does it differ from cancer pain?
小暮 孝道
1,2
,
大和田 啓暉
3
,
住谷 昌彦
2
Takamichi KOGURE
1,2
,
Hiroaki OWADA
3
,
Masahiko SUMITANI
2
1美ら島クリニック
2東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部
3同麻酔科・痛みセンター
キーワード:
病態
,
心理因子
,
痛覚変調性疼痛
Keyword:
病態
,
心理因子
,
痛覚変調性疼痛
pp.914-920
発行日 2024年6月22日
Published Date 2024/6/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289120914
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◎国際疼痛学会による “痛み” の定義が更新され,心と身体の多様な相互作用に関する文言が強化された.この国際疼痛学会の動きと連動して,世界保健機関(WHO)が発行する国際疾病分類第11版(ICD-11)の改訂では,慢性疼痛自体が疾患であるとの位置づけがなされ,従来からの侵害受容性疼痛あるいは神経障害性疼痛に起因する疾患に加え,一次性疼痛(Primary pain=感情的な問題と関連する痛みで,機能的な障害と関連していてもよいが,他の原因が明らかでないもの)が定義された.がん患者の痛みはICD-11において,がん自体による痛み(主に進行がんによる痛みが想定されており,従来のがん疼痛cancer painに該当する)だけでなく,がん治療による痛み(cancer treatment-related pain)も含む総称である,がん性疼痛*cancer-related painとして定義されている.本稿では,がん自体およびがん治療による痛みと,がん以外の原因による痛みとの相同点と相違点を中心に,その評価と治療方針について概説する.(*筆者訳)
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