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連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.3
マクロファージによる細胞膜リン脂質の感知機構
Sensing mechanisms of a phospholipid in the plasma membrane by macrophages
瀬川 勝盛
1
Katsumori SEGAWA
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所医化学分野
キーワード:
細胞膜
,
リン脂質
,
ホスファチジルセリン(PtdSer)
,
マクロファージ
Keyword:
細胞膜
,
リン脂質
,
ホスファチジルセリン(PtdSer)
,
マクロファージ
pp.921-926
発行日 2024年6月22日
Published Date 2024/6/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289120921
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SUMMARY
ホスファチジルセリン(PtdSer)は細胞膜を構成するリン脂質であり,細胞膜の内葉に限局する.内葉のPtdSerは細胞質タンパク質を細胞膜に係留する機能や脂質の細胞内輸送,シグナル伝達において重要な役割を担う.一方で,PtdSerはさまざまな局面で細胞膜の外葉に移層され細胞表面に提示される.たとえば,アポトーシスを起こした死細胞はPtdSerを “eat me” シグナルとして表面に提示する.マクロファージはPtdSerを認識する分子を複数発現しており,これらの分子を用いてアポトーシス細胞を速やかに認識・貪食する.また,死細胞の貪食だけではなく,細胞表面のPtdSerがさまざまな機能を持つことが報告されつつある.本稿ではPtdSerを移層するリン脂質移層分子を中心に,PtdSerの非対称性の維持と崩壊の分子メカニズム,マクロファージによるアポトーシス細胞の認識機構,さらに細胞表面のPtdSerが持つさまざまな生物学的機能について概説する.
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