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連載 臨床医のための微生物学講座・Vol.16
水痘・帯状疱疹ウイルス
Varicella-zoster virus
浅田 秀夫
1
Hideo ASADA
1
1奈良県立医科大学医学部皮膚科学
キーワード:
水痘
,
帯状疱疹
,
抗ヘルペスウイルス薬
,
ワクチン
Keyword:
水痘
,
帯状疱疹
,
抗ヘルペスウイルス薬
,
ワクチン
pp.909-913
発行日 2024年6月22日
Published Date 2024/6/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289120909
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◎水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は,ヘルペスウイルス科に属するDNAウイルスである.初感染では “水痘” を引き起こす.水痘治癒後,VZVは知覚神経節に潜伏感染するが,細胞性免疫の低下などをきっかけに再活性化し,“帯状疱疹” を生じる.水痘は,主に小児が罹患し,紅暈を伴う小水疱を主体とする発疹が全身に多発する.予防には水痘ワクチンが使用され,2014年にワクチンが定期接種化されて以降,患者数が激減している.帯状疱疹は,神経痛様の痛みに続いて小水疱を伴った浮腫性紅斑が神経の分布に一致して帯状に配列する疾患である.皮疹治癒後も長期にわたり頑固な疼痛が残ることがある(帯状疱疹後神経痛).年間の罹患率は1,000人あたり5人程度とされているが,加齢に伴い増加する傾向があり,50歳を境に発症率が上昇する.
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