特集 おなかの病気を診る〜機能性消化器疾患への誘い—つらいおなかの痛み、張り、下痢、便秘への処方箋
【機能性疾患のtips and pearls〜画像では明らかな異常がないが日常生活に支障をきたす疾患】
❽慢性骨盤痛症候群
関口 由紀
1
1女性医療クリニックLUNAネクストステージ
キーワード:
慢性骨盤痛症候群
,
痛覚変調性疼痛
,
外陰前庭痛症候群
,
慢性骨盤痛の食事療法
Keyword:
慢性骨盤痛症候群
,
痛覚変調性疼痛
,
外陰前庭痛症候群
,
慢性骨盤痛の食事療法
pp.790-793
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350070790
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CASE1 GSMによる膀胱痛症候群
患者:60歳、女性。
現病歴:51歳で閉経し、55歳頃から膀胱炎になるとなかなか治りにくくなった。普段も持続する下腹部痛が改善しない。今回も急性細菌性膀胱炎の症状で来院した。抗菌薬を5〜7日程度処方したが、1週間後も膀胱不快感を訴えるので、1カ月程度猪苓湯や五淋散などで経過をみていた。しかし依然として膀胱不快感がとれないため他院で膀胱鏡検査を施行し、Hunner型間質性膀胱炎は否定されている。
フェムゾーン(腟と外陰)の乾燥症状もあるので、閉経関連尿路性器症候群(genitourinary syndrome of menopause:GSM)と考えてエストリオール腟錠を1日1回で処方、さらに慢性骨盤痛もあるのでアミトリプチリン10mg 1日1回夕食後を処方した。さらに骨盤底トレーニングを勧めた。1カ月後に膀胱不快感と下腹部不快感は消失した。

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