Japanese
English
特集 脂質多様性の生物学と疾患制御
健康と疾患を制御する脂質栄養
Regulation of health and diseases by lipid nutrition
石田 渓
1,2,3
,
國澤 純
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
Kei ISHIDA
1,2,3
,
Jun KUNISAWA
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
1医薬基盤・健康・栄養研究所ヘルス・メディカル微生物研究センターワクチンマテリアルプロジェクト
2同センター腸内環境システムプロジェクト
3大阪大学大学院薬学研究科ワクチン材料学分野
4医学系研究科病態制御基礎医学
5歯学研究科次世代口腔医療創薬開発科学講座
6理学研究科生命ケミカルバイオロジー
7東京大学医科学研究所国際ワクチンデザインセンター 新次元ワクチンデザイン系アジュバント開発分野
8神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座免疫制御部門
9広島大学大学院医系科学研究科
10早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構
キーワード:
食事性脂質
,
オメガ(ω)3脂肪酸
,
腸内細菌
,
アレルギー
,
炎症性疾患
Keyword:
食事性脂質
,
オメガ(ω)3脂肪酸
,
腸内細菌
,
アレルギー
,
炎症性疾患
pp.820-824
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289110820
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食事由来の脂質は,腸管から吸収されて全身をめぐり,生命活動を維持するために多彩な機能を発揮している.細胞膜の成分やエネルギーとしての脂質の働きがよく知られているが,最近では,脂質から作られる代謝物による健康と疾患の制御が注目されている.筆者らは,これまで食事性脂質の脂肪酸組成の違いに着目した研究を展開し,特に必須脂肪酸として知られるオメガ(ω)3脂肪酸が,宿主ならびに腸内細菌による代謝を受けた後にアレルギーや炎症を制御することを,食物アレルギーやアレルギー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,糖尿病などの動物モデルを用いて明らかにしている.本稿では,筆者らが見出した健康と疾患を制御するω3脂肪酸代謝物について,各種病態形成を制御するメカニズムを中心に,最新の研究成果を紹介したい.
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