Japanese
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特集 皮膚の悪性腫瘍――研究と診療の進歩
顔面基底細胞癌の診断と治療
Diagnosis and treatment of facial basal cell carcinoma
野村 正
1
,
寺師 浩人
1
Tadashi NOMURA
1
,
Hiroto TERASHI
1
1神戸大学大学院医学研究科形成外科学
キーワード:
基底細胞癌(BCC)
,
顔面
,
手術療法
Keyword:
基底細胞癌(BCC)
,
顔面
,
手術療法
pp.491-495
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070491
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基底細胞癌(BCC)は,毛包間上皮や毛包の基底細胞を由来とする癌腫で,皮膚悪性腫瘍で最も頻度が高い.一般に転移はまれであるものの,局所浸潤性で,時に組織破壊性を呈し,進行例では骨まで至ることがある.その治療法として,実行可能であれば手術療法が第一選択として強く勧められている.特にaggressive型に対しては,神経周囲浸潤(PNI)を含む十分な組織学的検討が必要であり,二期的再建を選択するのがよい.顔面病変に対しては機能ならびに整容面に対する配慮も必要であり,過不足なく切除し,再建することが求められる.顔面では整容面・機能面への配慮も必要である.外鼻では一般に浸潤傾向が強く,特に鼻翼溝部病変は二期的再建が好ましい.眼瞼は腫瘍切除に伴って全層欠損となることが多い.上下眼瞼の1/4以下の欠損では,単純縫縮が可能であるが,それ以上の欠損に対しては,口蓋や鼻腔粘膜移植による後葉再建に加えて各種皮弁による皮膚側の再建が必要となる.
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