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特集 皮膚の悪性腫瘍――研究と診療の進歩
有棘細胞癌の最新治療戦略
Cutting-edge treatment strategies for squamous cell carcinoma
前川 武雄
1
Takeo MAEKAWA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科
キーワード:
有棘細胞癌(SCC)
,
外科的治療
,
放射線治療
,
薬物治療
Keyword:
有棘細胞癌(SCC)
,
外科的治療
,
放射線治療
,
薬物治療
pp.486-490
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070486
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有棘細胞癌(SCC)は,日光角化症やボーエン病など上皮内SCCも含めると最も頻度の高い皮膚悪性腫瘍である.近年,その発生頻度は右肩上がりに上昇しており,今後しばらくその傾向が続くことが予想される.多くは外科的治療で完治を得るが,一部の進行症例ではその治療が確立されておらず,治療に難渋する.わが国における大規模な解析データにおいても,転移のない症例の5年生存率は80%を超えている.一方,リンパ節転移を有する群ではこれが50%程度まで低下し,さらに遠隔転移を有する群では10%以下まで低下する.SCC治療の柱は外科的治療,放射線治療,薬物治療の3つである.本稿ではこの3つの柱となる治療の現状について解説し,また薬物治療の今後の展望についても触れてみたい.
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