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連載 緩和医療のアップデート・Vol.3
がん疼痛治療
-――この30年余で何が変わったか?
Cancer pain treatment
――What has changed in the last 30 years?
余宮 きのみ
1
Kinomi YOMIYA
1
1埼玉県立がんセンター緩和ケア科
キーワード:
オピオイド鎮痛薬
,
非オピオイド鎮痛薬
,
鎮痛補助薬
,
放射線治療
,
骨転移
Keyword:
オピオイド鎮痛薬
,
非オピオイド鎮痛薬
,
鎮痛補助薬
,
放射線治療
,
骨転移
pp.164-170
発行日 2024年4月13日
Published Date 2024/4/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28902164
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◎1986年,世界保健機関(WHO)からがん疼痛治療の指針が出版されたのをきっかけに,オピオイドを中心とした治療法が普及した.その後,エビデンスに基づいたガイドラインが出版されている.2000年以降,複数のオピオイドが使用できるようになった.20年が経過し,エビデンスの蓄積などにより,フェンタニルの耐性,悪液質下での吸収低下などの課題が明らかにされている.またメサドンは,難治性疼痛への効果が期待されている.鎮痛補助薬については,2010年にデュロキセチンやガバペンチノイドが使用できるようになったことで処方が広がった.がん疼痛に対する鎮痛補助薬のエビデンスは乏しいため,今後も検討が待たれる.非オピオイド鎮痛薬は,他の選択肢が増えNSAIDsのリスク喚起が普及したため,存在感が薄らいでいるが,強い炎症を伴う痛みでは今後も必要と考えられる.また,骨転移診療の重要性が増してきている.がん治療の進歩に伴い,骨転移を発症した患者も長期にわたり骨転移痛や麻痺などをもちながら生活するようになってきたからである.
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