Japanese
English
TOPICS 癌・腫瘍学
横紋筋肉腫の悪性度を決定する分子メカニズム
Molecular mechanisms determining the malignant potential of rhabdomyosarcoma
藤村 篤史
1
,
富澤 一仁
2
Atsushi FUJIMURA
1
,
Kazuhito TOMIZAWA
2
1岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)細胞生理学
2熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学
pp.924-925
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811924
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tRNA修飾酵素CDKAL1の発見の経緯
2007年1月,『Science』誌に2型糖尿病の大規模ゲノムワイド関連解析の結果を報告する3本のback-to-back articlesが掲載された1-3).これらの論文で,2型糖尿病疾患感受性遺伝子のひとつとして共通して報告されたのがCDKAL1(CDK5 regulatory subunit-associated protein 1-like 1)である.発見当初は,CDK5の活性化因子であるp35またはp39を阻害するタンパク質に類する構造を有しているという程度の認識であったが,後に筆者らの研究によって,CDKAL1がリジンtRNAのアンチコドンループをチオメチル化することでリジンコドンの翻訳の正確性や効率を促進し4),リジン残基が翻訳後機能の要点となるインスリンなどの発現を制御していることが明らかになった5).筆者らの発表以降,tRNA修飾酵素CDKAL1は主に糖尿病研究領域で盛んに研究が継続されてきた.
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