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特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
横紋筋肉腫の分子病理
Molecular pathology of rhabdomyosarcoma
細山 徹
1
,
Charles Keller
2
Tohru Hosoyama
1
,
Charles Keller
2
1University of Wisconsin-Madison, Dept. of Comparative Biosciences, USA
2Oregon Health & Science University, Pediatric Cancer Biology Program, USA
1University of Wisconsin-Madison, Dept. of Comparative Biosciences, USA
2Oregon Health & Science University, Pediatric Cancer Biology Program, USA
pp.112-116
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101121
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1.横紋筋肉腫とは
米国国立癌研究所の指針によると小児癌は12種類に大別され,1/3を急性骨髄性白血病に代表される白血病(Leukemia),次いで神経膠腫(Glioma)や髄芽腫(Medulloblastoma)などの脳腫瘍と,横紋筋肉腫(Rhabdomyosarcoma)や骨肉腫(Osteosarcoma)などの軟部肉腫が占める1)。いずれも腫瘍細胞の増殖は総じて速く,転移能の高いものも多く,早期発見・早期治療が必要とされる。
ギリシャ語で「杖」を意味するRhabdos,「筋肉」を意味するmys,「果肉」を意味するsarkosを語源とする横紋筋肉腫は,小児軟部肉腫のおよそ50%を占める最も頻発する腫瘍であり,米国では年間約350症例が報告される(日本では年間30症例ほど2))。病理学的所見から横紋筋肉腫は胎児型(Embryonal)と胞巣型(Alveolar)に大別され,それぞれ横紋筋肉腫患者の約50%および20%を占める。また,紡錘細胞型やブドウ肉腫型といった種々のサブタイプも存在し,それぞれに違った病理所見を示すことや特定の分子マーカーが未同定なことなどが横紋筋肉腫の診断をいっそう困難なものとしている。
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