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特集 アナフィラキシーup to date 2024
周術期のアナフィラキシー
Perioperative anaphylaxis
高澤 知規
1
Tomonori TAKAZAWA
1
1富山大学医学部麻酔科学講座
キーワード:
筋弛緩薬
,
抗菌薬
,
トリプターゼ
,
ヒスタミン
,
好塩基球活性化試験(BAT)
Keyword:
筋弛緩薬
,
抗菌薬
,
トリプターゼ
,
ヒスタミン
,
好塩基球活性化試験(BAT)
pp.917-921
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811917
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麻酔薬や各種モニターの進歩によって,手術患者に安全な医療を提供する体制が整いつつある.その一方で,周術期に発生する重篤なアナフィラキシーが患者や麻酔科医にとって脅威となることが認識されてきた.筆者らが最近行った全国規模の疫学調査(JEPSA)によって,周術期アナフィラキシーの原因薬剤が明らかになった.周術期のアナフィラキシーは診断が難しいが,血液中トリプターゼ濃度の測定を行うことで診断の確実性が増加した.薬物治療の第一選択であるアドレナリンは,静脈内投与の方が筋肉内投与よりもショック離脱までの時間が短いということも判明した.皮膚テストに加えて,in vitroの検査である好塩基球活性化試験(BAT)の有用も示すことができた.今後は,麻酔科医が主体的にアナフィラキシーの原因検索に関わっていくべきと考えているほか,アナフィラキシーの確定診断に有用な血液中トリプターゼ濃度の測定が保険適用の検査になることを望んでいる.
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