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特集 アナフィラキシーup to date 2024
薬物によるアナフィラキシー
Drug-induced anaphylaxis
山口 正雄
1
Masao YAMAGUCHI
1
1帝京大学ちば総合医療センター第三内科(呼吸器)
キーワード:
アナフィラキシー
,
IgE
,
IgE非介在性
,
MRGPRX2
Keyword:
アナフィラキシー
,
IgE
,
IgE非介在性
,
MRGPRX2
pp.913-916
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811913
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薬物によるアナフィラキシーは,重篤化するとショックに至り,さらには低酸素脳症や死亡を起こしうる.注射投与される,あるいは食物タンパクと異なり消化を要さずに体内に吸収されるため,速やかに症状が生じる傾向がある.薬物によるアナフィラキシーは国内のアナフィラキシーショック死のうち,ハチ刺傷と並んで最も多い死亡原因である.IgE介在性反応が一般に主要な機序と位置づけられる.一方,IgE非介在性反応の原因薬として造影剤や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が昔から知られているが,一部の薬物では専用の受容体(MRGPRX2)の関与が判明している.臨床現場では,不意打ちで発症するアナフィラキシーに対して円滑に対応できるよう,治療薬(特に筋注のためのアドレナリン)常備と訓練が重要である.新型コロナワクチン接種を国内で推進する過程で,アナフィラキシーの病名が国民に知れ渡った.
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