特集 輸血2018―限りある資源を安全に,有効に活用するために
輸血に伴う急性の有害事象
アナフィラキシー
藤井 伸治
1
Nobuharu FUJII
1
1岡山大学病院輸血部
キーワード:
トリプターゼ
,
アドレナリン
,
抗ヒスタミン薬
,
洗浄血小板製剤
Keyword:
トリプターゼ
,
アドレナリン
,
抗ヒスタミン薬
,
洗浄血小板製剤
pp.761-763
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_761
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Summary
▪輸血後のアナフィラキシー発症は数千~1万件に1件の頻度と推定される.
▪IgA欠損症,ハプトグロビン欠損症患者におけるアナフィラキシーが有名であるが,多くの発症例においては原因物質の特定にいたらない.
▪トリプターゼの測定は診断に有用である.
▪治療の第一選択は,輸血以外のアナフィラキシーと同様にアドレナリン筋注で,抗ヒスタミン薬やグルココルチコイドも使用される.
▪予防には,血漿蛋白の除去を目的とした洗浄赤血球,洗浄血小板の使用が有効である.また,実臨床においては,前投薬として抗ヒスタミン薬やグルココルチコイドが用いられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018