Japanese
English
第1土曜特集 成人診療医にも知ってもらいたい小児神経疾患診療のポイント
アミノ酸代謝異常症
Amino acid disorders
松本 志郎
1
,
城戸 淳
2
,
中村 公俊
1
Shirou MATSUMOTO
1
,
Jun KIDO
2
,
Kimitoshi NAKAMURA
1
1熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座
2Metabolic Laboratory, Division of Metabolism, University Children’s Hospital Zurich
キーワード:
フェニルケトン尿症(PKU)
,
テトラヒドロビオプテリン(BH4)代謝障害
,
ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素欠損症)
,
OTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)欠損症
,
非ケトン性高グリシン血症
Keyword:
フェニルケトン尿症(PKU)
,
テトラヒドロビオプテリン(BH4)代謝障害
,
ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素欠損症)
,
OTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)欠損症
,
非ケトン性高グリシン血症
pp.773-781
発行日 2024年3月2日
Published Date 2024/3/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28809773
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アミノ酸代謝異常症とは,アミノ酸(およびその代謝産物)を生合成あるいは分解する代謝酵素の異常により引き起こされる疾患を指し,一部,アミノ酸の転送に関わる機能異常を含んでいる.一部のアミノ酸は神経伝達物質の基質となっており,また,それ自体が高濃度で神経毒を持つため,多くのアミノ酸代謝異常で神経合併症を呈する.診断は,特徴的な代謝産物を尿,血液あるいは髄液を用いて検出する生化学診断,スクリーニング検査が早期診断の中心であり,さらに酵素診断と遺伝子診断が行われている.中枢神経に症状を呈するアミノ酸代謝異常の一覧を表1に示す.近年の難病研究の成果によって,これまでは治療困難であったこの領域の疾患が治療可能となりつつあり,成人期に移行する症例が増えている.このなかから,本稿では小児科領域だけではなく成人領域の診療に必要なアミノ酸代謝異常について解説する.
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