今月の主題 アルコール障害
アルコールによる代謝異常
アミノ酸・蛋白代謝
平山 千里
1
,
堀 立明
1
1鳥取大学医学部・第2内科
pp.408-409
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220251
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アルコールは生体におけるアミノ酸・蛋白代謝系を変動させることが知られているが,この主な理由に,飲酒に伴う栄養不良状態と肝を中心とするアミノ酸,蛋白代謝系の変動があげられる.事実アルコール性肝臓病患者においては,通常,食事蛋白量の減少や消化管における蛋白の消化吸収障害などによってアミノ酸の供給量が減少している.アルコールそれ自体,またアルコールによる肝障害によって肝におけるアミノ酸,蛋白の代謝系が障害されている.さらにアルコール性肝臓病では,内分泌異常や糖質,脂質代謝系の変動によって,アミノ酸や蛋白の代謝系が二次的に変動している.したがって,アルコール性肝臓病にみられるアミノ酸,蛋白代謝の実態はきわめて複雑である.
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