FORUM 世界の食生活・Vol.13
世界の病院食
-――世界の病人は何を食べているのか
丸山 道生
1
1田無病院院長
pp.691-696
発行日 2024年2月24日
Published Date 2024/2/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28808691
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病人が摂る食事は,栄養学的な要素が考慮されるのと同時に,その国や地域の食文化と深く関わっている.コメを主食とするわが国においては,コメのお粥を中心とした病院食のシステムとなっている.特に手術後の食事である術後病院食は,流動食の重湯からはじまり,徐々に粥の水分が減り,米粒の割合が高くなるという,きめ細やかな段階食を踏襲してきた(図1).わが国の術後食の起源に関しての定説はないが,腸チフスの回復期の治療食のシステムを,そのまま術後食に応用し,その体系が形成されたという説がある.文献的にみると1931年の陸軍軍医団による食餌療法網要に,現在と同様の重湯,3,5,7分粥,全粥のステップアップ術後食が登場し,記載されている1).
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