視点
和食を世界に認められる健康食にするには
辻 雅善
1
1近畿大学九州短期大学生活福祉情報科
pp.326-327
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209132
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公衆衛生学との出会い
「健康について学びたい」,両親にそう告げて故郷を後にしたのを今でも覚えています.私の故郷は,福岡県の中央部に位置する田川市という人口5万人弱の小さな街です1).かつての筑豊最大の炭鉱都市であり,よく盆踊りで踊られる炭坑節の発症の地です.ちなみに私の誕生日は8月15日.ちょうど近所の公民館で炭坑節が鳴り響き,盆踊りの最中に産声を上げました.そう,まさに田川市の申し子です(どうでもいいよ! という声が聞こえてきます…).
そんな私には,6つ下の妹と,2つ下の弟がいます.妹は小学校1年生のころ(1996年2月)に左卵巣未分化胚腫で入院・手術し,弟は中学1年生のころ(1997年4月)に松果体脳腫瘍で入院・手術をしました.妹と弟の立て続けの大きな病気は,平々凡々と日々を送っていた辻家の一大事件でした.この大事件が私の人生の転機となりました.「人はなんで病気になるのだろう?」「ずっと健康でいることはできないのか?」そんな思いが頭の中を巡りました.いつしか私は健康に興味を持つようになっていました.
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