FORUM 戦後の国際保健を彩った人々・Vol.5
木村英作と蟻田功
-――天然痘との闘い
山本 太郎
1
1長崎大学熱帯医学研究所国際保健学分野
pp.251-253
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28803251
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木村英作氏(1946~,秋田県大館市出身)の姿をはじめて見たのは,今から25年以上前,1990年のことだ.「クイーン・シーバ」という中目黒にあるエチオピア・レストランへ行くという木村氏とその仲間に「一緒にどうか」と誘ってもらった時のことであった.その時は知らなかったが,クイーン・シーバは日本で最初にエチオピア料理を提供した店として知られていた.その店にどうしても行きたい,と木村が言ったのがきっかけだったという.木村は,エチオピアの伝統的料理であるインジェラ(イネ科の穀物であるテフを発酵させ,クレープのように薄く焼き上げたもの)を手でちぎり,被せるように具を挟みながら器用に食べていた.そして時折,懐かしいなとつぶやいていた.
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