Japanese
English
第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
基礎
アルツハイマー病とβアミロイド蓄積
Aβ pathology in Alzheimer’s disease
橋本 唯史
1
Tadafumi HASHIMOTO
1
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第四部
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
老人斑
,
脳アミロイドアンギオパチー(CAA)
,
伝播
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
老人斑
,
脳アミロイドアンギオパチー(CAA)
,
伝播
pp.883-887
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28713883
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
アルツハイマー病(AD)患者脳では,典型的老人斑やびまん性老人斑,脳アミロイドアンギオパチー(CAA)など,さまざまな形状でアミロイドβペプチド(Aβ)を主成分とするアミロイド線維が沈着している.これまでの病理学的・遺伝学的研究から,Aβが老人斑として蓄積する過程amyloid pathwayこそがAD発症の鍵過程であることが明らかとなった.老人斑がAD発症に与える役割はいまだ明らかではないが,老人斑蓄積はdefault mode network(DMN)とよばれる楔前部や後部帯状回などの脳領域からはじまり,時空間依存的に脳内を伝播するとともに,タウ蓄積を亢進し,さらに老人斑内部や周囲の細胞にlocal toxicityを発揮することで,AD発症のdriving forceとなっていると考えられる.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.