Japanese
English
特集 補体revisited――抗補体療法はどこまで進んだか?
自己免疫性神経疾患
Autoimmune neurological diseases
宮本 勝一
1
Katsuichi MIYAMOTO
1
1和歌山県立医科大学脳神経内科
キーワード:
重症筋無力症(MG)
,
視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)
,
補体
,
分子標的薬
,
MM-5mg
Keyword:
重症筋無力症(MG)
,
視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)
,
補体
,
分子標的薬
,
MM-5mg
pp.762-767
発行日 2023年12月9日
Published Date 2023/12/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28710762
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重症筋無力症(MG)や視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)は補体が関与する自己免疫性神経疾患であり,補体をターゲットとした治療が行われている.抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型MGと抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性のNMOSDに対しては,抗C5モノクローナル抗体であるエクリズマブとラブリズマブが難治例に対して保険承認されている.いずれの疾患も抗補体療法が著効し,特にNMOSDでは臨床試験において,ほぼ全例で有効であり,補体が病態に必須であることを示している.一方,MGでは無効例も存在するため,病態に多様性があることが考えられる.抗補体療法は有効性が高いが,重篤な副作用を起こすこともあり,また医療経済的な観点からも安易な導入はできない.今後は抗補体療法を行うべき症例を見出すためのバイオマーカーの開発が求められる.
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