特集 免疫疾患治療を変える新たな治療標的
神経免疫疾患における治療の進歩
櫻井 謙三
1
1聖マリアンナ医科大学脳神経内科 講師
キーワード:
分子標的薬
,
重症筋無力症
,
視神経脊髄炎関連疾患
,
多発性硬化症
,
QoL
Keyword:
分子標的薬
,
重症筋無力症
,
視神経脊髄炎関連疾患
,
多発性硬化症
,
QoL
pp.31-35
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.01_0031-0035
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年、神経免疫疾患領域において、数多くの新規分子標的薬が登場した。重症筋無力症では抗C5製剤と抗FcRn製剤が、視神経脊髄炎関連疾患では抗C5製剤、抗IL-6受容体製剤および抗B細胞製剤が、多発性硬化症においても抗B細胞製剤が登場し、その有効性の高さから診療のパラダイムシフトが生じ、その結果患者の長期予後や生活の質に大きな影響を与えている。重症筋無力症においては、難治症例への治療薬としての期待に加え、軽症から中等症でもさらなる生活の質の向上を目指した選択肢となり、視神経脊髄炎関連疾患においては、疾患活動性の抑制に加えステロイドの減量も可能となった。多発性硬化症に至っては、オファツムマブの高い有効性と安全性によりすべての患者において選択を検討できるほど、従来の疾患修飾薬と比べ利点の多い薬剤が選択できる環境下となった。さまざまな分子標的薬が登場するなか、どのような恩恵が患者にあるか、臨床的視点を中心に上記3疾患について概説する。「KEY WORDS」分子標的薬,重症筋無力症,視神経脊髄炎関連疾患,多発性硬化症,QoL

Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.