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Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 287, Issue 9 （December 2023）

医学のあゆみ 287巻9号（2023年12月発行）

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第1土曜特集質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力

眼科領域での質量分析イメージング法 Mass spectrometry imaging in ophthalmology 奥村直毅 ¹ Naoki OKUMURA ¹ ¹同志社大学生命医科学研究科ティッシュエンジニアリング研究室キーワード：フックス角膜内皮ジストロフィ（FECD） , 角膜内皮 , デスメ膜 , マトリックス支援レーザー脱離イオン化法（MALDI） , 質量分析イメージング（MSI） Keyword: フックス角膜内皮ジストロフィ（FECD） , 角膜内皮 , デスメ膜 , マトリックス支援レーザー脱離イオン化法（MALDI） , 質量分析イメージング（MSI） pp.678-683

発行日 2023年12月2日 Published Date 2023/12/2

DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709678

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　眼科領域におけるマトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた質量分析イメージング（MALDI-MSI）の応用事例について，自験例を交えて紹介する．眼球は外界の光を眼内に取り入れ，網膜で光の情報を神経情報に変換して，最終的に視神経を通じて脳に情報を伝えることで，“視覚” を得るための役割を果たしている．眼球は，網膜や視神経などの眼球の後方部分からなる後眼部と，角膜，結膜，水晶体，虹彩など眼球の前方部分からなる前眼部に分類される．このように眼球は役割も解剖学的な構造も異なるパーツから構成されており，これらすべてのパーツに重症の視力障害やQOL低下を生じる疾患がある．眼科領域におけるMALDI-MSIの応用例はまだ限られており，これからの分野であるが，標識物質を必要とせず一度の分析により数百から数千にも及ぶ物質を検出できるという特徴を生かした研究が試みられている．